仕事と晩飯とその他

日記です。

忘れようとしても思い出せない……

九州に行く飛行機の中で読もうと思って買った『バカの壁』。搭乗を待っている間と飛行機に乗り込んで離陸を待っている間にほとんど読み終えてしまい、結局熟睡。

別に主張していることが間違っているとかそういう問題ではなく、「読む」という行為に必要な脳みそが刺激されない。話を「聞く」という感覚なのだ。それも講義であったり講演であったりというよりもう少しプライベートな感じ。本を読んでるはずなのに耳から聞こえてくる、しかもそれをボーっと聞き流してしまっている感じ。

そういう作りの本が最近多い気がするが、読みやすいものが求められている以上、そういうものが作られるのは必然であるようにも思う。本当にそれで良いのかどうかについては疑問も多々あるが。

あまりに早く読める本というのは、自分の場合だけかもしれないが、内容がほとんど印象に残らない。最近本を読んでないなあと思うことばかりだが、家で本棚を見てるとそこそこ話題になった本はぼちぼち本棚にあったりする。で、読み終えても印象に残ってないんで「読んでないなあ」となってしまっているらしい。

で、こういう売れる本(ベストセラー)を売るのは単純に商売としては本当に面白いが、どうもそれだけではなく自分が本当に売りたい本なのかどうかを真剣に考えるべきなんではないかということばかりを自分は最近考えているようだ。

自費出版やら紐付き出版やらは絶対にイヤだが、口述筆記もなあ。口述すること自体に意味や価値があるものであったり口述せざるを得ないものであれば構わないが、「バカの壁」という本を口述筆記で出すこと自体に深いところで疑問を感じる。そういう構造自体がメディアリテラシーの低下を招いているということに当事者が未自覚であるという現実。

批判ではなく、そういう構造が支えるあまりに表層的な「文化」に対するアンチテーゼを提示する側に身を置きたい、などとえらそうにも思ったりする。