仕事と晩飯とその他

日記です。

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土曜日に若き日のウィレム・デフォーを見ようと『ストリート・オブ・ファイアー』を借りに行ったらレンタル中。しょうがないので『ブルー・ベルベット』『エル・マリアッチ』『ショーシャンクの空に』というまとまりの無い三本をレンタル。

『エル・マリアッチ』これって映画を作る側の人間から評価される映画のような気がする。クソつまらん自主制作映画ばかりの中でこれが出てきたら誰でも「おおッ」って思うはず。だが、普通の人間は自主制作映画なんて見ないし低予算のクソつまらん映画を見ることもあまりない、はず。『デスペラード』のほうが面白かったが、その分普通のハリウッド映画になってた気がする。でも、この監督(ロバート・ロドリゲス)、自主制作の「ハリウッド映画」を作りたかったんだからそれで良いんじゃないのかなあ。オレは観てないけど同じ監督の「スパイ・キッズ2」を見た妻によるとアントニオ・バンデラスは変な味を出していて良かったらしいし。

ショーシャンクの空に』うーん、これはストーリーのひねりっていうかどんでん返しの仕掛けとか伏線とか、そういうのを楽しむ映画なんだろうな。大感動作、と聞いていたが、一つ一つのエピソードが全て落ちにつながっている、というかそれ以上ではない気もする。監獄の中と外での「自由」についてとか「希望」とか、なんか表面的に思えた。あざとい、というと言いすぎな気もする。なんだかんだで面白かったが……。

ブルー・ベルベットデビッド・リンチもきっと「ハリウッド映画」というか「娯楽ミステリー」を作りたかったんだろうなあ。『ワイルド・アット・ハート』の公開前のインタビューでも「最高に格好良い恋愛映画を作った」って本気で言ってたようだし。で、いわゆる「ハリウッド映画」っていうのはスタッフの力量による部分が大きいと思う。パンフレットを読まなくてもストーリーが分かる、とか、画面が明るくてきちんと役者の表情が分かる、とか、音声がキチンと聞き取れる、とか、伏線が適度な量(しかも忘れ去られること無く)盛り込まれている、とか。良し悪しは抜きにして、そういう技術の上に『ジュラシック・パーク』や『タイタニック』や『フォレスト・ガンプ』のような映画が存在する。この映画、そういうスタッフを使っていたらなんということもない凡庸な映画になっていた気がする。技術って完成されてしまうと逸脱するのは難しい。