仕事と晩飯とその他

日記です。

『地上』 島田清次郎

中断していた島田清次郎の『地上』(青空文庫)を読了。途中までかったるくてしばらく放り出していたが、再開したところからグンと面白くなってきて一気に。で、母とその姉の因縁も絡んだ生まれる前からの仇敵やら運命に引き裂かれた恋人との再会(の予感)やらなんやら昔の大映ドラマなみにてんこ盛りで、「ここで終わりかよ!」みたいな感じ。いやあ、続き読みたい。けど入手かなり困難らしいうえに、第二部からは諸々破綻してるという話なので、残念ながらここで終わりかも知れない。

十一谷義三郎で怪我をして片目になるという出だしが最高に格好いい短編があった。『地上』はそれと似た感じで、この第一部の終わりがまさに新しいドラマの始まりという感じ。惜しいなあ。

『天才と狂気の間』を再読したくなったが、本棚のどこにあるか分からない。

現実があまりに過酷なので小説なんか読む気がしなくなっていたが、やっぱりグッと面白いのは読めるな。ビルドゥングスロマン的な何か、ちょっと探してみよう。