仕事と晩飯とその他

日記です。

鮮度が落ちないもの

電子出版や電子書籍の話題が盛り上がっているが、特に情報系に絞って言えば、電子書籍として成立するか否かは情報の鮮度と量によるとしか言いようが無いのではないかと思う。速報的なものはどう考えても現状のWebサービスのほうが優れている。速報の背景となるニュース解説的なものも、その多くはWebサービスのほうが手軽だろう。常に新しい物が発表され続ける学術論文もそうかな。リファレンスやデータベース的なものも、常に情報の更新が不可欠のものは紙より電子だろうと思う。それもできればネットワークに接続できるもの。電子辞書は専用機が便利過ぎてなかなかネットに接続する方向に進んでこなかったが、Kindleなどの例を見ると、電子辞書専用機もそろそろそちらに進むのかもしれない。携帯電話がスマートフォンを経て限りなく汎用機化してくるという方向性ももちろんあり得る。
ロングセラーの話をした時に「半年経っても売れてるロングセラー」みたいなことを言われて驚いたことがある。自分はロングセラーと言えば最低でも数年から、モノによっては10数年以上という感覚。半年売れて「ロングセラー」にはちょっと驚く。
つまり、ここで触れてる「鮮度」も、そういう意味では数日よりは少し長めの感覚。半年ぐらい「しか」売れない単行本は「鮮度が重要」であろうと思う。
結局、電子出版にしても電子書籍にしても、パッケージの形で成立するものは鮮度重視のWebページとは別の方向をめざすことになるだろう。紙の本とも違うのではないか(もちろん非常に多くの部分は重なるのだが)。もしかすると電子出版より紙の本(や雑誌)のほうが半年程度の鮮度であれば向いているのかも。
そんなことを考えている。