仕事と晩飯とその他

日記です。

在庫の入れ替え

商品の売行きや内容の問題ではなく100%外的な要因でどうしても絶版とせざるを得なかった商品の扱いにここ2年ほど苦しめられてきたが、今月の大小諸々の増刷でようやく在庫を落とせそうな兆しが見えてきた。考えているのはこういうことだ。どうしても動かせない商品を寝かせておくだけでもコストはかかる。しかも資産計上されてるから税金の問題もある。このタイミングでコンスタントに動きのある商品についてはいつもより多めに増刷し、そちらのコスト圧縮によって生み出された利益で不良在庫をなんとか損益として計上できないか。多分、今年の年末までかけてなんとかこの流れを形にしていくことになると思う。大目の増刷というのは通常一年を超えないもしくは一年程度の物流に見合う増刷を行うわけだが、今回はそれの1.5倍、モノによっては2倍以上をすることになる。あまり刷り過ぎると当然それにかかるコストも膨らむので限度があるわけだが、そういう細かい調整でもしないと重荷を下ろすことはなかなかできない。もちろん多くの出版社が言うように「一発当てたら」不良在庫なんて一掃できるわけだが、一発当てることを前提に資金繰りを考えるわけにはいかない。一発も当たらないがダラダラ売り続ける、ことを前提にしなければ、特に弊社のような出版社の場合は、成立しないものと思われる。

いや、だからと言って一発当てたいと言う気持ちが無いわけではないが、ではいくら売れたら一発売れたことになるのかという疑問も常にある。1万部以上売れたら「けっこう売れた」と売れない出版社でしか働いたことのないオレはずっと思っているのだが、それは志が低いのか? いや、志は数じゃないだろ。じゃなんだ? 質か? 質ってなんだ?

よくわかりません。ただ、どんな本でも売れると楽しいし売れないとつまらん。売れない本は本当につまらないし悲しい。意外とテキトーな本でいいんじゃないのっていう先日のIさんの問いかけには色々と考えさせられている。