仕事と晩飯とその他

日記です。

またリアルな夢(SF仕立て)

8名〜10名程度が搭乗している大型の宇宙船。長旅の任務は、地球に迫る小惑星に接近し試料を持ち帰ること。地球を直撃すると人類滅亡も危ぶまれるほどの巨大な小惑星に対してのあまりにもささやかな抵抗。ようやくたどり着いた小惑星での試料採取。クルーの一人Aが船の外に取り残され、大量の放射線を浴びてしまう。Aを乗せると他のクルーの健康にも影響が出る可能性は高い。任務の重要性を考えるとAを置き去りにするしかない。皆がそう判断せざるを得ないと思っていたその時、別のクルーBが注射器を持ち出し、自分の首に注射。原子炉の冷却水を取り出し体内に注射したらしい。「奴と一緒に残ります。見殺しには出来ない。」とBは言う。しかし、どうしてそんなことを、という他のクルーの問い合わせにBは一切答えない。外に一人取り残されたAは宇宙船から廃棄された不要なコンテナなどを使って仮の設備を作り始めている。自らに注射したBを外に出すのかどうか、船内は紛糾する。任務の重要性を考えると注射をしたBも置いていかざるを得ない。が、Cから反論があがる。宇宙服を着せたままでもいいから二人とも地球に連れて帰ろう。万が一でも助かる可能性はないわけではない。宇宙服を着ていればある程度の放射線は遮蔽できる。船内は広い。他のクルーとなるべく離れた区画を彼らに与えたら地球までは大丈夫ではないか。船内の意見は揺れる。注射をしたBは何も言わない。皆の決断を待っている。Bだけなら大丈夫か、という意見も出る。が、Cはそれなら二人とも、と主張し続け意見はまとまらない。Bが「では自分は残ります」と言って船から出て行こうとする。Cが彼を必死で押さえつける。Cは泣き叫ぶ。生きて帰るのがオレたちの任務じゃないのか。途中で任務を放棄するのか。が、他のクルーに押さえつけられ、縛られたのはCの方だった。
二人を小惑星に残し、Cを縛りあげたまま船は地球に向かう。しばらく経って落ち着きを取り戻したCの縄は解かれる。既に遠く離れて星の一つにしか見えなくなった小惑星を見つめながらCは言う。もし、自分達が帰る前に地球に小惑星がぶつかって人類が滅亡してしまっていたら帰る必要はないかもしれない。が、それなら生き残らなければならない。もし地球にまだ小惑星がぶつかっていないのなら、やはり生きて帰らなければいけない。
地球まではあと数年かかる。