仕事と晩飯とその他

日記です。

思い出のヤンキー。

15年以上前に塾講師をしていた事がある。成績の良い生徒を対象とした塾ではなかったのでヤンキー予備軍も多数いた。文章題だとパーセントの計算(食塩水の濃度とか)、図形だと三角形の相似あたりが関門だった。味のある奴も多数いたが、中に「オレももう15だから……」というのが口癖の奴がいた。回りからは一目置かれている不良だったようだが、奴曰く、15歳になったらそろそろバカばっかりやってられない、のだそうだ。そんじょそこらの大人よりもオレの方が色々経験してるし知ってるよ、ぐらいの口ぶりで、講師ともタメ口だった。女の子でも似たようなのがごろごろいた。もう遊びは卒業しないと、なんだそうだ。で、中2の奴に対して「若いっていいわよね」とか。

別口で、なんだかやたらと図体がでかくて好青年(というか大学生ぐらいにしか見えない)、そのわりに素直で低姿勢というやつもいた。が、他の生徒に聞いてみると、学校中の先生が震え上がるぐらいのワルらしい。確かに強そうだ。親分肌でもあるらしく、取り巻きのような奴も一緒に塾に来ていた。悪ガキ、というよりケンカの強そうなホスト、みたいな感じ。実際、彼女が大学生だとか、家には盗んだバイクが並んでいるが怖くて親もとがめられないだとか色々噂は聞いた。勉強は全然出来なかったが、女(けっこうな大人含めて)には本当にもてた、らしい。奴には、自分自身の年齢も含めて、年齢のことなど気にしている素振りもなかった。多分、年齢のことなどどうでも良かったんだろうと思う。

大学の学生寮に住んでいた事があるのだが、諸先輩が偉ぶるのが馬鹿馬鹿しくて、「皆さん偉そうにしてるけど就職したら一番下っ端じゃないですか」と言ったことがあるがうまく伝わらなかった。

何の蓄積も無くただ歳だけとっているような年寄りも多いが、若い奴も「売り物は若さだけ」って奴、意外と多いと思う。だから、どちらをとっても単純に否定したり賛美したりは違うんじゃないだろうか、と思うのはオレだけだろうか。自分の経験が基準になってしまえばそれとの比較でしか考えられないわけで、それはなんだか想像力の欠如のように思えてしまう。

などと偉そうに思う。というか考える。で、自分はどうなのか、とも思う。