仕事と晩飯とその他

日記です。

確かに価格は最大の要素だけど、全てではない。

<A href=http://www.asahi.com/culture/book/K2003021801314.html>文学もデフレ?値下げの「小説現代」売り切れ続出</A>

ここ数年、新聞や業界紙の記事の中でアタマにキタ度で5本の指に入りそうなネタ。(ちなみに、ブッちぎりの第一位は、新文化の一面で文芸社自費出版を「新しいビジネスモデル」と表現した記事。あやうく「憤死」しそうになった。)

40周年記念特別号(重要)という事実・表紙・内容等ではなく値下げを実売アップの主要因としていることに憤りを感じる。「今まで売れなかったのは値段のせいだ」という論調。

コピー用紙を売っているわけじゃあるまいし、売行が値段だけで左右されるって本気で言ってるんだろうか?

確かに値段は重要な要素だとは思うが、だからと言って売れない理由をそこだけに求めるのはいかがなものか。

例えゴーマンであっても「オレの特集で売れた」と言い切れる編集者と仕事をしたいと本気で思う。

赤字の雑誌の実売率が40%から75%に改善? 取次の窓口で部数交渉したら返品率25%でギリギリ合格ラインだったはず(講談社の方は窓口行かないから知らないと思うが)。販売収入をメイン(広告収入ほぼゼロ)に収支を考えている雑誌なら25%でも返品率は高すぎるはず。

逆に広告収入をメインに収支を考えている雑誌の場合、返品率が高くても搬入部数を維持するのは広告媒体としての価値を維持するため。返品率が40%だろうが50%だろうが書店店頭での露出を確保しなけりゃならないってことで営業は窓口でねばるわけで、好きで高い返品率を維持してるわけじゃない。

ちなみに刷部数が変わらないものとして定価×実売を計算してみた。ほとんど変わらない。
45000 870 0.4 15660000
45000 500 0.75 16875000

2月号は実売が昨年より一割増とのことだそうだが、その程度で解決する赤字だったのだろうか。危機感なさ過ぎるんじゃないだろうか。あと数ヶ月して実売が以前の状況に戻った際になんと言うのか聞いてみたいとは思うが……、無理か。

講談社の赤字についても、「危機感を煽る(と同時にリストラや給与体系の見直しや不祥事の後始末)を行うためにあえて赤字決算にした」という見方もあるようだが、「黒字にすべく色々手を尽くしてみたが結果としてわずかに届かなかった」という可能性もあるような気がする。もしそうだとすると案外大変な話なのかもしれない。