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日記です。

TRCが自由に使える書誌データの提供を始めた

TRCが自由に使える書誌データの提供を始めた。

株式会社図書館流通センター(TRC) || TRC新刊図書オープンデータ
http://www.trc.co.jp/trc_opendata/index.html

版元ドットコム経由でopenbdに統合されるそうだ。JPROから漏れている新刊の情報が増える。素晴らしい。

早速、データ(タブ区切りテキスト)を落としてみた。

「Cコード」「判型」「ページ数」「発売日」が無い。判型・ページ数・発売日はともかく、Cコードは分類のための手助け(程度)にはなるので、できれば欲しい。「出版社」は「発行元」のようだ。このデータを書店向けに使おうということになると「発売元」「扱い社」の情報が必要になる(そんな用途に使うことは考えてないと思うが)。

openbdの「pubdate」では泥沼にはまってるので、TRCのこの情報が統合される場合にはYYYYMMDDで統一していただけると非常に助かる。が、TRCのタブ区切りテキストは「発売月」なので、これを機械的にYYYYMM01にするのはまたちょっと違う気もする。

図書館向けの基本的な書誌情報なのか、それとも読者に向けて公開するための書誌情報なのか、さらには書店向けなのか。JPROが今やろうとしている方向性だと項目数が増え過ぎる。必要最低限が望ましいのだが、それがどの程度なのか。

不足があると「これだと使えない」という意見がすぐに出てくる。実際には不足はある程度他の方法で埋めることも可能だったりするので、自分としては「使えない」とは言いたくない。むしろ、「これだけでも使えるのはありがたい(実際そうなんで)」と言いたい。

が、それでも「やっぱりこれはこうなってたほうが……」というのは間違いなくある。版元ドットコムを離れて残念なのは、今回のTRCの件で、「Cコードと発売日(取次搬入日でも可)」という提案を直接伝えられなかったことだ。幸いJPROには少しは伝えられる。

とりあえず早めに近刊検索デルタを立ち上げて、実際にopenbdを使いつつ、「書誌情報を出す方=出版社」としてだけでなく、書誌情報を使う方としての具体的な要望を出していこう。

共有書店マスタの立ち上げ説明会の時に「流通にも使えるのではないか(RDBで書店のユニークIDとして使えるというある程度具体的な話まで含めて)」質問をしたところ、筑摩の田中さんに「マーケティングのためにしか使えない(使わない)」と言われたのを思い出す。

図書館向けの書誌情報であっても流通のベースになる情報として使うことは可能だ(もちろん、そのままでは無理かもしれないが)。逆に、流通のための情報であっても図書館の書誌のベースとして使える(使えないと言われたこともあるが)。データになってたらなんとかなる。

とは言うものの、在庫ステータスとか価格とか発売日とか出版社名とか「取引取次」とか、そもそも収集や更新が難しいデータがあるのも事実で、そのあたりをどうやって解決しつつ集約するか、という話になってきている。そう考えるとまだまだやることは沢山ある。