矛盾なのか、それとも、どちらかが正解なのか
夢を見た。内容が仕事と現実に密着している。たまにこういう夢も見る。
夢の中で、Webサイトのリニューアルの打ち合わせをしている。諸々話している中、ページのデザインについてラフなアイディア、デザイン性は高い、を提示された。それに対して、自分は、はっきりと「No」なのだ。
夢の中で自分は「No」の理由をこう説明していた。
「より、シンプルなデザインが望ましい」
「UIについてはGoogleやAppleの模倣でいいのではないか」
「むしろ、独自の凝ったUIより、GoogleやAppleを模倣したUIのほうがユーザーにとってはわかりやすいのではないか」
「この場合のわかりやすさとは、つまり、ユニバーサルデザインとも言える」
「Webやスマホの世界ではUIは標準化の方向に進んでいる」
「そして、その標準化をリードしているのはごく一部の企業でしかない」
「それに乗るほうがユーザーには親切だろう」
そのあたりで目が覚めた。
夢の中の自分の説明にすごく驚いた。なぜなら、別件で「わかりやすさ」と、「オリジナリティ」について他人と実際にやりとりしていたからだ。その中で、先方からは「わかりやすさとは、つまり、わかりにくい要素を極力減らすということだ」と指摘された。それに深く納得しつつも、それだけではないと考えていたから。
機能においての「わかりやすさ」は非常に重要だ。そこで個性を発揮する必要はない。
けれど、例えばアートにおいては、「わかりやすくないが心を揺さぶられる」、「わかるためには過程が必要で、それは難解であるということなのだが、だからこそ、その過程を乗り越えた時に大きなカタルシスを得られる」といったことはある。
だが、しかし……。自分はそこでもう少しだけ考え込んでしまう。例えば、難解な音楽、だ。現代音楽は難解だ。わかりやすくはない。が、価値はある。マスに受ける作品はわかりやすい。どこまでもわかりやすい。わかりやすさは変化する。パンクはかつてわかりやすかったはずだが、今はどうだろうか。
現実と夢とが交錯して色んなことを考えさせられた。