音楽での「ライブ」に該当する本の「ライブ」とは
「CDやDLで稼げなくなった音楽はライブに回帰する」という話が本当なのかどうかは自分には判断しかねるのだが、音楽における「ライブ」に該当する本での「ライブ」とは何かについては考えていることがある。
結論を先に書くと、本における「ライブ」は単行本の初版だ。できれば限定版にしたうえで装幀に凝ったり巻末に解説や対談を掲載して付加価値を加えると尚可。但し、成立するのは主に文芸・アート(この範疇に含まれる児童書・絵本含む)と、一部の人文書に限る。実用書(実用性の高い専門書)などは含まれない。ビジネス書に関しては難しいが、著者のファングッズとしてであれば成立しそうな気もする。特別対談が載ってるとか。もちろん実用書であっても趣味性の高いジャンルでは成立する。限定版のみにDVD付属とか。
音楽における「ライブ」では、実演ということだけではなく、「参加」や「一回性(再現されない)」ということが重要なのであろうと思われる。本で実演にこだわると朗読とかサイン会とかになるが、それだと正直、音楽のライブほどの充実感は期待できない。ライブ、なんだかんだで「熱い」。
「ライブ」での熱さと「参加」「一回性」というところに注目して考えると「単行本の初版」はかなりいい線いけるのではないだろうか。少なくとも電子書籍や文庫のクールダウンした感じ、祭りへの後からの参加、複製感とは一線を画すのは無いかと思う。
文芸の単行本は初版3千とか5千の世界に突入していると聞く。ならば、それはコアなファンに向けた「ライブ」と位置付けても良いのではないか。そのうえで、CDに該当する通常版の単行本や電子化、早めの文庫化を念頭にすすめるのがよろしいのではないだろうか。
二種類の単行本(初版限定版と通常版)を用意するのは大変という意見もあるとか思うが、DTPが普及してそのあたりは大分楽になっている。また、初版時に注ぎ込むプロモーション費用の一部を上乗せするのだと考えれば、実は初版限定版は安上がりではないか。
自分はそう考えております。
くどいようだけど、ジャンルは限定されると思うので、その点はご勘案ください。