仕事と晩飯とその他

日記です。

父の葬儀

 8月18日未明、父が死んだ。

 お盆休みからの土日が開けての18日、いつものように出社前にPCを覗くつもりで電源を入れたら、近くに於いてあるPHSの着信ライトが点滅している。表示してみると深夜に連続で着信が。
 ああ、死んだんだな、とすぐに思う。
 ちょっと前に姉から電話で「そろそろ危ない」との連絡を受けていた。その時は、そうは言ってもまだまだじゃないの、ということで切った。
 実際には、思っていたより早かった。後で聞いたが、医者も驚いていたらしい。
 あまり迷わず最後の着信につないでみる。母の携帯だった。
「お父さん死んだのさ」
 ああ、やっぱり。
「今日お通夜で明日告別式さ。あんた、間に合うかい」
 とりあえずすぐに立ち上がったPCで千歳行きの飛行機を探すことにした。思ったより空きがあるようだ。まだ寝ていた妻を起こし、父が死んだので札幌に行くとだけ伝える。目を覚ました妻は、落ち着いた声でわかったと言った。
 部屋に戻って飛行機のチケットを確認するとさっきまで空いていた席が空いていない。急いで予約しないとやばいと思っていたら夏休み中の子どもが起きてきた。妻に事の顛末を聞いて驚いたかと思ったら「おじいちゃん」と言って泣き出した。泣いている子どもに、「パパは札幌に行ってくるから」と伝えると、自分も行くと言う。二人分のチケットの手配と航空券の値段を考えてほんの一瞬だけ躊躇した。いや、連れて行こう。そうだ、肉親との別れは子どもにとって初めてのことだ。連れて行こう。
 二人分の予約を取るつもりでPCに向かうと空席がほとんどなくなっている。それでもなんどか試していたら10時半羽田発の便が取れた。空港まではバスで行くつもりだったが、妻がクルマで行けばというのでそうした。確かにクルマのほうが、特に帰りがラクだ。ガソリンは往復に充分なだけ入っている。足りないものもあるが、荷造りして出発だ。
 自宅から羽田までは混んでいなければ40分程度でしかかからない。しかし、お盆休み明けの月曜日は思ったより道が混んでいた。高速に乗ってしばらくすると流れが止まった。それでもまだ間に合うからと進んだが、空港直前で子どもに受け付けカウンターに、ギリギリになりそうですと電話を入れてもらうことにした。なかなか通じない。ようやく駐車場の入口に到着した。電話も通じた。駐車場渋滞で駐車場に入れない。電話で11時半の便に二席開いていると告げられる。迷わずそちらに変更した。これでだいぶ子どもの気持ちにも余裕ができた。それまではかなり焦っていたらしい。父が余裕の態度なのが不思議だったそうだ。いや、俺も別に慌てていないわけではないが、飛行機は意外とギリギリでもなんとかなることを知ってるだけだ。
 そこからさらに駐車場に入るまでに時間が経過し、クルマを停めた時には時間はギリギリだった。荷物を抱えカウンターへ。子どものチケットはスカイメイトが効くらしい。そういえばあったな、そんなの。随分割安になった。助かる。急いでボディーチェック。ベルトの金具で引っかかった。搭乗口へ。アナウンスで名前を呼び出されていた。まさにギリギリ。子どもと席はバラバラだったが、いよいよ千歳へ。

続く……、のか?