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日記です。

出版状況クロニクルの数字を円換算し、国民一人あたりで比較してみました。

小田光雄さんの出版状況クロニクルはいつも拝見していますが、今回出版ニュースから引用されていた数字がなんとなくモヤッとしてスッキリしなかったので簡単にまとめてみました。

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出版状況クロニクル49(2012年5月1日〜5月31日)

国名 : 2010年売上(現地通貨) : 円換算 : 2010年推計人口 : 国民一人あたり
アメリカ : 279億ドル : 2兆2320億円 : 310,383,948 : 7,191円
イギリス : 31億1500万ポンド : 4049億5000万円 : 62,035,570 : 6,528円
ドイツ : 97億3000万ユーロ : 9730億円 : 82,302,465 : 11,822円
フランス : 70億ユーロ : 7000億円 : 62,787,427 : 11,149円
日本 : 1兆8748億円 : 1兆8748億円 : 126,535,920 : 14,816円

※1ドル80円、1ポンド130円、1ユーロ100円で換算
※日本の2010年出版物売上は、出版状況クロニクル33 (2011年1月1日〜1月31日)で紹介されている「出版科学研究所による2010年出版物推定販売金額」から。
※各国の人口は『世界の人口推計 2010年版』を基にしたWikipediaのページ「国の人口順リスト」から。


感想1:日本の国内市場ってけっこうでかいんじゃん。
感想2:これ、円安の時に換算したら日本の市場規模すごいよね。 ※大原さんから指摘されましたが、円高だから相対的に日本の円の価値が高くなってるんですよね。確かに。円安だとドルやポンドの価値が高くなるから円換算すると海外の売上のほうが大きくなる。んー、すみません。
感想3:イギリスとアメリカは輸出も知りたいなあ。もしかしてそっちがけっこうでかいとか?
感想4:Houghton Mifflin HarcourtやBordersが吹っ飛んだアメリカは「出版」不況じゃないのかなあ。

追記)感想の感想の感想。
1について、「日本は縮小してんじゃん」という指摘がありましたが、それはまさに。ある意味、大きく膨らみ過ぎた市場が適正(がどこかは分かりませんが)に落ち着く過程が「出版不況」とか言われているものなのではないかと自分は思っています。成長市場とはやはりちょっと違う対応が必要になるかと。
2はご指摘の通り。お恥ずかしい限りです。
3、アメリカの出版輸出は国内市場の1/10ぐらいでこれから電子に食われて縮小するかもとのこと。なるほど。イギリスはけっこう輸出してるイメージあるけど、実際のところはどうなんだろう。
4、まあ個別の事情って言っちゃうと日本でも「出版不況」で潰れた社は無いような気も。副業での失敗、もしくは、返品を上回る納品を稼ぐべく積み上げた無理な営業努力の結果が多いんじゃないでしょうか。