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日記です。

連載:出版不況の原因は何か(第1回)

本日から7回に分けて出版不況の原因について私見をアップします。

出版不況と言いますがそもそも新刊書籍だけでなく古書や図書館での貸し出しも含めて考えると単純に本が読まれなくなったというわけでもなさそうです。ただし、新刊一点あたりの売上は減っているのは間違いありません。では、なぜ新刊一点あたりの売上が減ったのでしょう。その理由は三つあると考えています。あくまで私見です。特に数字的な検証は行っていません。機会があればちゃんと資料をひっくり返してみたい気もしますが、本当にそこまでやるかどうかは自分でもわかりません(雑誌の収入減は広告との関連が大きいのでここでは触れません)。

さて、本が売れなくなった三つの理由ですが、自分は以下の三つであると考えています。
「供給過剰」
「本との出会い方の多様化」
「本の選び方の変化」

供給過剰は出版業界の肥大化がもたらしたものです。肥大化の理由を考えます。あくまで私見です。

出版業界は外から随分心配してもらえる奇特な業界です。予想以上に愛されています。この愛され体質、素晴らしいことですが、これが実は問題です。出版業界のこの「愛され体質」が肥大化の下敷きにあると自分はにらんでいます。愛されすぎたがゆえに厳しい競争もなく肥大してしまった。愛するヒトビトが自分も参加したい自分はこの業界から離れたくないと思ってどんどん膨らんでいく。当然それに見合う食い扶持を稼ぐために供給も増える。一線を越えてもしばらく維持できていたのが、ここへ来て瓦解を起こしている。それが出版不況の正体でしょう、あくまで私見ですが。なので、「愛するがゆえにこの業界を去る」というヒトが増えて規模がある程度縮小すれば間違いなく落ち着きます。どこまで縮小すべきかが見えないのが不安と言えば不安なうえに「この業界でしか生きられない」ヒトたちがどうなるかが問題ではあるのですが。

明日はヒトが増えた理由を項目を分けてもう少し細かく考えてみたいと思います。あくまで私見です。
(第2回に続く)